夏になると、アデノウィルスや咽頭結膜炎など、いわゆる「夏風邪」と言われる感染症にかかるご高齢者が少なくありません。
咳(せき)や発熱で体力を奪われるため、要介護のご高齢者にとっては命にかかわることもあります。
また、O157などの腸管出血性大腸菌感染症も、夏場に増えてきます。
感染症予防の基本は、「手洗い」です。
ご本人はもちろんのこと、介護にあたるご家族や、学校に通うお孫さんなどから感染症が持ち込まれることもありますので、こまめに手を洗う習慣を夏場もご家族全員で心がけましょう。
インフルエンザ対策は、冬だけではなくオールシーズン徹底することが大切です。
また、ご高齢の方の感染症予防には口腔(こうくう)ケアも非常に重要です。
口の中に残った食べカスなどが原因で細菌が増殖し、忘れたころに肺炎などを引き起こすこともあります。
起き上がって、歯ブラシや舌ブラシなどを使った口腔ケアができれば良いですが、難しいようでしたら、横向きで寝た状態で口の中を濡らして、ブラシやスポンジブラシできれいにしたあと、水を吐き出してもらうだけでも良いと思います。その後、むせないように、お口のなかに水分が残っていないかを確認してあげるといいでしょう。
感染症予防には、細菌を洗い流して外に出すことがポイントとなります。
ケアのタイミングは、朝起きたときや、お食事の前後、就寝前などをお勧めします。